IEEE TNSREへの論文掲載について(矢状面立位のバランス同定)

IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering に,当研究室の成果である立位における個人の重心制御のバランス同定に関する論文が,2025年11月14日付で掲載されました.

M. Sonobe and N. Miura, “Identification of Standing Balance System Considering Center of Mass Control for Support Surface Sway,” in IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering, vol. 33, pp. 4580-4589, 2025, doi: 10.1109/TNSRE.2025.3632867

本論文は,支持面を台車で前後に揺らしたとき(上の写真)に,個人のバランス応答における重心制御を数理モデルで表すことができることを示した論文です.類似研究は過去にもあるのですが,新規性は以下の通りです.

  • 周波数解析を採用し,0.05~0.70Hzの帯域のみを対象とすることで,制御対象を重心制御のみに限定した(頭部の加速度制御はモデル化の対象外).
  • 独自の試みとして,台車の速度による低周波の重心変動を「視覚フィードバック」と解釈し,0.3Hz以下の低周波特性を再現した.
  • 実用性の観点から,実験で必要となる重心位置出力に光学式モーションキャプチャシステムを用いずに,足下のフォースセンサーから力学モデルを介して重心位置を推定
  • 上記の試みにより,20名の健康な被験者のデータを3日間収集し,得られた数理モデルの再現性を検証

本研究成果は,将来的に鉄道等の輸送機器に開発における人体モデルとしての採用や,病気や加齢の診断への活用が期待されます.

本論文は,園部と2025年に修士課程を修了した三浦 直人君の共著論文ですが,研究の遂行には卒業生の成田 和樹君,常田 仁君,板谷 祐汰君,山口 尚輝君と現所属学生の小山 泰輝君と菊地 健介君の貢献がありました.論文の謝辞にも掲載していますが,彼らの貢献に感謝します.

当研究室では,今後も社会に役立つ研究の遂行とその成果の発信に努めていきます.