研究室の基本方針

本研究室では,社会に役立つ技術開発と社会に貢献できる人材となる基盤づくりの両立を目指しています.また,それを実現するためのプロセスとして,学内外および教員・学生という立場に関係なく,オープンな議論ができる環境づくりを行っています.

目標

  • 社会に役立つ技術開発
    恵まれた学内の研究環境を活かして,学術的に意義ある研究成果を上げることを目指します.研究内容は社会に役立つものを志向するとともに,その技術が社会実装に至るまでのプロセスまで考えながら研究を進めていきます.
  • 社会に貢献できる人材となるための基盤づくり
    研究活動を通じて明確な目標設定とそれを実現するためのプロセスの共有を研究室内全体で進めています.プロジェクトの成功・失敗に関わらず自ら適切なフィードバックを行い,やればできるという自己効力感を持った人材を育成します.

具体的な運営方針

進捗報告
  • 毎週2回の進捗報告会を実施します.個人の報告の頻度は,2週間に1回程度です.
  • 報告は文書(A4用紙2ページ以下)とし,それを黙読した後,全参加者で議論をします.参加者の立場は対等で,指導教員もレビューワーの一人として議論に参加します.
  • 報告者は,進捗報告会終了後に教員とマンツーマンで短時間(10分程度)の振り返りをします.「良かったこと」,「悪かったこと」,「次回何をするのか」を確認するとともに,目標設定やその実現プロセスを共有します.
進捗報告会の様子.全員で向かい合って座り,議論します.司会者,報告者,レビューワーもすべて学生です.
学生の取り組み
  • 基本ルールとして,以下の3点を守るようにお願いしています.これらを守る限り,卒業・修了まで責任を持って指導をします.
    1. 進捗報告会(または勉強会)への出席
    2. 研究室の共用スペースを清潔に保つ
    3. 装置が故障したときは,自責他責に関わらず報告する(故障原因を叱責されることはありません)
  • 本研究室は,学生を中心に研究を遂行するボトムアップ型を志向しています.スタッフからの口出しは最小限に抑え,研究の目標設定や実施計画の立案および修正は,学生が主体で行います.ただし,卒業研究のテーマ設定のみは,教員が提示したもの(例年10テーマ程度を提示)から選択します.もし自分がやりたいテーマがある場合は,修士課程進学時から変更可能です.
  • 原則として,研究成果を残すことを目指します.学部の卒業研究でも,研究テーマは最先端のものとします(学部生でも十分にインパクトの高い研究に取り組むことができます).学生主体のボトムアップ型と成果志向がセットになります.
  • 個人で研究するよりも,まわりと協力しながら研究を進めることを推奨しています.(技術者としての人材価値向上のため)
  • 大学生,大学院生の基本は,基礎的で幅広い知識を得ることです.そのため,本研究室では研究活動よりも講義の受講を優先します.具体的には,期末試験期間中は,進捗報告会を実施しません.
  • 通常は学部3年生で研究室に配属されますが,配属直後はC言語とマイコンを使ったラジコン製作の勉強会を行っています.この時期は進捗報告会への参加を免除し,勉強会への参加を義務としています.
  • 上記以外は,大学や他の学生の迷惑にならない限り個人の考え方・志向を尊重し,(研究室の在室時間やアルバイトなど)行動を制約しません.何かを強制することもありません.
研究室全体での取り組み
  • 学会発表を希望する場合は,研究成果に基づいて発表の可否を教員が判断します.成果に応じて,教員から学生に発表を勧めることもあります.
  • 最先端の研究を行うためには,最新の研究情報の収集が不可欠です.本研究室では,平日の月・火・木・金の朝9時30分から30~40分程度の学術論文(英文)の朝輪読会を実施しています.講義を優先するので参加を自由としていますが,大学院生および院進学希望の学部生の多くは参加しています.英語の出来不出来は誰も気にしておらず(当初から英語ができる学生は少ないです),内容の理解を重視しています.ただし,英文に慣れるために,翻訳ソフトは使いませんし,事前準備も推奨しません.この取り組みが研究実行力・英語読解力の両方を養うために最も優れた教育効果を発揮しています.
  • 実験装置の製作やプログラミングなど,技術開発をやる意欲がある人材は歓迎し,最大限のサポートをします.
  • イベント等の提案は歓迎します.
学術講演会SHD2024(慶応大SFC)にて
SHDというポーズをしているのだそうです
KJシンポジウムの懇親会(2025年,韓国済州島)にて.修士課程の小山君と柳生君が参加し,他大学の日本人や韓国人の学生さんと交流していました.
研究室バドミントン大会(2020年度)
コロナ禍の最悪の時期でしたが,スポーツ大会を開催しました
研究室バーベキュー(2021年度)

上記の基本方針については,学生の考え方や社会の変化に合わせて,継続的な見直し・修正を行います.

最後に,本研究室は学外からの大学院修士課程や博士課程への進学希望者を歓迎します.特に,博士課程に関して,本研究室で扱う内容は学問分野として大きな発展性があり,研究者としての予算獲得や論文執筆に有利なテーマが数多くあります.学外からの進学を希望される方は,スタッフ(連絡先は下記フッタに記載)までご連絡ください.