2025年8月2日(土)と3日(日)に高知工科大学の香美キャンパスにて開催されるオープンキャンパスにおいて,動的デザイン研究室も出展します.内容は,立位のバランス評価に関する2件のデモ展示を行います.ご来場された方はお気軽にお立ち寄りください.
なお,学外からお越しの皆様のご来場には,代表者による事前予約が必要になります.上記のリンクから手続きをお願いします.

展示テーマ:
「姿勢の見える化:力とモデルで解析する人のバランス」
展示場所:
高知工科大学香美キャンパス
A棟1階 北エレベータ横の小さな講義室内(A111)
(同じ講義室に3研究室合同で展示しています)
※ 動的デザイン研究室は,システム工学群の機械系に所属する研究室です
展示内容:
本研究室で開発を進めている,フォースプレートと頭部の慣性センサ(加速度センサおよびジャイロセンサ)を用いたバランス評価手法のデモンストレーションを行います.本手法では,微小な重心位置の変動と,それに対してどのような復元力が発揮されているかを精密に捉えることが可能であり,医療機器としての実用化も視野に入れて開発を進めています.
今回の展示では,静止立位中のバランス評価に加え,支持面に前後方向の揺動刺激を与えた際の身体応答を計測し,左右の応答の非対称性を評価するデモを実施します.バランス機能の定量的な可視化に興味のある方は,ぜひご覧ください.
デモ1.安静立位のバランス評価

(この被験者は教員です)

- 頭部に慣性センサを付けた状態でフォースプレートの上に立ち,40秒間静止をします.
- フォースプレート上の着力点(COP)だけでなく,重心位置(COM)もリアルタイムで推定しながら画面上に表示されます.
- 頭部の加速度・角速度や,上半身と下半身の加速度も推定されます.
- 上記の情報から,以下の評価結果が出力されます.
- 重心の移動に対する復元の強さ
- 復元力の正確さ
- 頭部加の加速度,角速度の大きさ
- 足関節戦略(足首の力を使ったバランス制御)や股関節戦略(股関節の力を使ったバランス制御)の大きさ
デモ2.足関節応答の左右差の評価


- 頭部に慣性センサを装着して,青色の台車のフォースセンサ(右足と左足で独立に設置)の上に立ちます.
- 前方のモニタ上に足の形と赤い点が表示されます.赤い点は左右の垂直荷重差をリアルタイムでモニタリングしています.この点が中央にくる(左右の垂直荷重を均等にする)ように立ってください.
- 青い台車がゆっくりと前後に不規則に動きますので,赤い点を真ん中に維持しつつ,リラックスして立位を維持してください.計測時間は90秒程度です.
- 検査が終了するとすぐに検査結果が表示されます.
(補足情報)
上記は,以下の3本の学術論文と2つの特許技術を使ったデモになります.
- 学術論文1:フォースプレートと慣性センサを用いた重心位置等の推定法(Sensors (2023))
- 学術論文2:推定された値を使ったバランス評価法(Frontiers in Neurology (2025))
- 学術論文3:揺動によるバランスの評価(TechRxiv(2025, 査読中))
- 特許:状態推定システム、および、状態推定方法,特許第7146190号
- 特許:状態推定システム,特開2024-66016