三流研究者を目指して

2025年7月に研究室のHPを開設しました.併せてブログを載せて,主に技術的なトピックスを扱っていくつもりです.現在本研究室で扱っている人体の計測や解析は,世界的に様々な考え方が乱立しており,体系化が不十分な状況です.ブログの中で我々が扱うバランス解析や歩行解析を中心に,議論の整理ができればと考えています.それ以外に,研究室活動や様々な社会貢献活動についても発信していきます.

ブログの初回は,技術的な内容ではなく,本研究室のスタッフである園部の自己紹介とさせてください.

園部は,2005年にそれまで勤めていた企業でのエンジニア職を2年で退職して出身研究室の博士課程に進学し,その途中の博士課程の3年目から2007年に離島にある商船高専に勤務することで,研究・教育の世界に足を踏み入れました.

それ以来,教育に関しては失敗の連続,研究成果もほとんどない・・・という状態が長く続きました.任期付きの身分ということもあり,焦燥感を感じながら多くの時間を過ごしてきました.多くは自身の力不足のためでしたが,予算や研究時間確保に恵まれなかった点もあったように思います.逆に,失敗ばかりだったものの,教育スキルを向上させる機会には恵まれました.転機は,高知工科大学に着任してから訪れました.恵まれた研究環境のおかげで少しずつ研究成果が出せるようになってきました.

そのような背景があり,若い研究者の皆さんには,できるだけ早い時期から研究者として力を発揮できる機会に恵まれてほしいと心から願っていますし,お役に立てる機会があればぜひサポートしたいと思います.余談ですが,研究室の学生には「Sustainableな社会にするためには,若い人を優先すべき」と伝えていて,それが研究室の風土(学年の低い人を尊重・優先する)の一つになっていると思います.

このような状況で長くこの業界にいる中で,自身の能力や取り組みの平凡さは身に染みて感じています.それでも,せめて世界基準で三流と呼ばれるレベル,すなわち,たとえ一流にはなれなくても研究者の端くれとして世界から認識されるレベルになりたいと願い,日々研究活動を続けています.また,大学に職を得ている以上,若い人たちを教育することによって生活の糧を得ていると自覚しており,これを疎かにはできないと考えています.

以上が自己紹介になります.どのくらいの頻度で更新できるかどうかもわかりませんが,社会に役立つ発信を心がけて研究室HPを運営していきたいと思います.よろしくお願いします.

博士課程の3年時から2年間勤務した商船高専の実習船(左)と移動用の船(右).小さいほうの船は当時顧問をしていた硬式野球部の遠征でお世話になりました.後方の立派な橋は離島間を結んでおり,本州や四国へ渡るには船に乗る必要がありました.